女性眼科医のキャリアパス

眼科医を目指す女性の夢を支えるために

「東邦大学医療センター 大森病院 眼科」では、眼科医を目指される女性がより働きやすさを感じられるよう、さまざまな取り組みを行っています。
「眼科医になりたいけれど、今後のライフプランに少し不安がある」とお考えの女性の方にも安心して眼科医を目指していただける環境が整っています。

キャリアステージごとの働きかた

眼科専門医取得まで

  1. 大学病院へ入局

  2. 大学院

    4年制の博士課程

    大学、関連病院での勤務

    • 東邦大学医療センター 大森病院
    • その他関連病院
  3. 眼科専門医 取得

眼科専門医取得後の
働きかた

  • 大学病院 勤務

    大学病院に勤務しながら、教育、臨床と研究を行う。

  • 准修練医制度による
    大学勤務

    育児期間、介護期間に大学で週3.5日の短縮勤務をする。

  • 関連病院

    大学病院と関連のある病院にて勤務し、臨床眼科医としての経験を積む。

准修練医制度を利用している女性医師の
1週間のスケジュール(例)

  月曜火曜水曜木曜金曜土曜日曜
  7:30 自宅を出発 保育園へ送迎 8:30 大学到着    
午前
(9:00~)
自宅勤務 関連病院
(10:00-13:00)
自宅勤務 初診外来* 手術*
(8:30-13:00)
午後
(~17:00)
自宅勤務 救急当番*
病棟番対応
(14:00-17:00)
関連病院
(14:00-17:00)
専門外来* 専門外来*
(13:30-17:00)
  18:30 保育園へ送迎 帰宅    
*:大学勤務

大学勤務の
女性医師の声

Saiko Matsumura

  • 東邦大学医療センター 大森病院講師
  • ダイバーシティ推進委員
  • 関連病院勤務:済生会横浜市東部病院眼科医長
  • 海外留学経験:シンガポール国立眼センタ― クリニカルリサーチフェロー

経歴

2002年
東邦大学医療センター 大森病院入局
2004年
東邦大学大学院博士課程入学
2008年
東邦大学医療センター 大森病院助教
2008年
済生会横浜市東部病院眼科医長
2017年
シンガポール国立眼センタ―
クリニカルリサーチフェロー
2020年
東邦大学医療センター 大森病院助教
2023年
東邦大学医療センター 大森病院講師

所属学会

メッセージ

東邦大学大森病院の医局は様々なスタイルで働いているママさん女性医師がいます。小さいお子さんを抱えながら準修練医として臨床の場に従事している先生、子育てをしながら研究と臨床のバランスを取られている大学院生、外病院での勤務または大学常勤医として臨床、研究、教育に従事している先生などです。

うちの医局には、医局ならではの女性特有のライフステージに対応した支援と体制があります。私は子供を出産する前後は外病院で働いておりました。その外病院では初となる産後女性医師となったため、病院長と共に病院勤務医の労働環境改善を推進し、産後女性医師のための時短制度を設立して頂きました。時短しながらも外来業務や手術など以前と変わらず続けさせて頂けたことは非常に有難かったです。

現在は、小学校低学年の娘と中学受験を控えた高学年の娘を持ち、大学常勤医として働いております。循環器内科の夫は東京から離れた大学病院で働いているため、週末しか帰宅できず、実質ワンオペと言われる育児をしております。それぞれの両親も遠方であり、特別なことがない限りは手伝ってもらうことは難しいため、ヘルパーさんなどのアウトソーシングを利用しながら毎日をこなしています。

ただやはり病気などの緊急事態が発生することもありますが、教授始め医局長もそんな環境を理解して下さり、バックアップして頂けることに非常に感謝しております。また子育てをしている女性医師が多いため、受容と共感を得られやすく、心理的にも働きやすいですし、いろんな子育ての悩みや工夫をシェアできるのも心の支えになっています。

現在、当科にローテーションしてくる女子医学生を対象とし、女性医師としてのキャリアについてのアンケートを取っていますが、女性医師としての働き方やキャリア形成に不安を抱いている学生さんが思った以上にたくさんいました。女性はライフステージに合わせて優先順位が変わることが普通であり、そんな多様な働き方を共に考えてくれる場である医局に所属することは安心につながります。

そして将来のキャリアを形成する上でも様々な選択肢があることは非常に重要です。女性ならではの目線、母親としての経験がメリットとなる臨床の場もたくさんありますし、子育て中の女性医師も確かな動機と目標を持つことで、医局の一員として活躍できます。女性医師が気負いなく、バランスよく働ける医局を目指し、いろんな形で活躍してくれる女性医師が今後もたくさん増えてくれることを願っています。

引用元:東邦大学医療センター 大森病院 眼科サイト 女性医師の本音

准修練医の
女性医師の声

Youko Kunugi

経歴

2010年
東邦大学卒業
2010年
東邦大学医療センター 大森病院で2年間の初期臨床研修
2012年
東邦大学医療センター 大森病院 眼科入局
2015年
西横浜国際総合病院 眼科 出向
2016年
専門医取得
2017年
第一子出産 産休育休取得
2018年
東邦大学医療センター 大森病院 準修練医として復職
2020年
第二子出産 産休育休取得
2021年
東邦大学医療センター 大森病院 準修練医として復職

メッセージ

私は、未就学児の5歳と3歳の男児の母であり、現在は大学病院で准修練医として働いています。准修練医制度とは、週に3.5日の大学勤務(そのうち1日は自宅勤務可能)と1.0日の外勤という短縮勤務で育児をしながらも大学病院勤務を継続できるシステムです。

准修練医を選択した理由

私が眼科を選択した理由は、顕微鏡下手術に興味を持ったことでした。一般眼科を一通り経験した後は、手術もできる斜視弱視外来を専門に選びました。特に小児の斜視手術は、全身麻酔下で行われるため、設備が整っている大学病院に紹介されることが多く、私は産後も外来も手術もどちらも続けたい気持ちがあったため、大学に残りたいと思いました。また、共に入局した女性医師の同期達も准修練医としてバランスよく勤務できていたため、私も同様に准修練医としての大学勤務を選びました。

育児と臨床生活のバランス

現在は斜視手術のみですが、第二子を出産後しばらくは白内障手術も行っていました。産後は手術の継続は難しいと思われがちですが、意思があれば手術を続けていくことも可能です。専門外来を続けたいという希望があれば、医局長と教授が組んでくれてスケジュールが決まります。
子育てをしながらの勤務ですので、朝から晩まで一日バタバタしている日もありますが、平日の自宅勤務日はゆとりをもって過ごす時間ができます。夫も山梨で開業医として働いているため、帰宅できない日も多いですが、臨床生活も子育ても充実しており、いいバランスで働くことができています。とはいえ、小さい子どもは熱ばかりだすので、急にお休みになってしまうこともあります。そういった緊急の事態が起きても、大学病院には病児保育があることが大きな助けになっています。毎日色々ありますが、医局員の先生方のフォローのおかげで、とても充実した毎日を過ごせることに感謝しております。

関連病院勤務の
女性医師の声

Tomoko Okabe

メッセージ

2001年が医師1年目になりますので今年で医師歴23年目になります。途中出産·育休でほぼ1年間お休みし、復帰後は関連病院である横浜医療センターに勤務しています。この病院は私の家や実家に比較的近いので、子供の送り迎えや不測の病気などに対応しやすく非常に有難く、医局側がそれを考慮してくれての出向先となっています。

月~金は仕事と日常生活で非常に慌ただしく子供との時間もほとんどありませんが、土日はお休みになるのでメリハリのある生活が出来ています。とはいえ、横浜医療センターは地域の中核病院であり緊急手術にも対応しているため、定時に終わらないことも多々あります。私自身は長い時間外労働にはあまり対応できず、子供のお迎えを優先させてもらうこともしばしばありますが、眼科医師5人体制と人数が多めですので少々融通がつきやすくとても働きやすい職場となっています。

私の上に部長の先生もいますので、緊急でない硝子体手術を執刀させてもらうこともあり、今の病院ならではと思っています。
関連病院ですので若い先生達は1~2年で交代していきますが、どんどん知識を得たり白内障手術がメキメキ上達していくのを目の当たりに出来るのは嬉しくもあり、逆に刺激をもらいます。

女性医師の働き方は色々あると思いますが、楽な方向に向かっていくのはいつでも出来ると思います。
自由な時は色んなことに挑戦しながら仕事をし、足踏みが必要な時は医局と相談しながら働き方を模索していっていいと思います。そういった相談が出来る医局です。
私ももうしばらく、今の環境に感謝しつつ医局の仲間と一緒に仕事を続けて行きたいと思っています。