角膜

教授も専門とする
角膜の研究と手術

「東邦大学医療センター 大森病院眼科」は目にまつわるさまざまな疾患に対し治療・研究を進めておりますが、その中でもとくに角膜に関する分野については力を入れています。
当科の診療部長を務める堀 裕一教授も角膜を専門領域としており、角膜移植の手術については科を通して年間50件ほどの実績を上げています。角膜移植は眼科医療において大変重要な位置にありますが、その手術には高度な技術が必要とされるものでもあり、今後もさらなる発展が望まれている分野です。 この角膜講座では、角膜移植の研究と手術をさらに実のあるものにしていくため、これからを担う若い先生方にも多くの経験を積んでいただきたいと考えています。

角膜分野の臨床研究

角膜研究の目的

角膜化学外傷などの難治性角膜疾患では、角膜移植を行っても、拒絶反応や感染症のために成績が非常に不良です。難治性角膜疾患の代表例として重症オキュラーサーフェス疾患(スティーブンスジョンソン症候群、角膜化学外傷、眼類天疱瘡など)が挙げられ、これらはバリア機能が低下するため、角膜感染症を起こしやすいと考えられています。当科では、難治性角膜疾患の病態解明を目的とし、オキュラーサーフェスの涙液成分の研究や感染症の研究を行っています。
また日常の眼不快感を起こすドライアイやコンタクトレンズ、マイボーム腺の影響を検討する研究を行い、病態解明や新しい治療法の開発を目指しています。最新の器機を用い、光学観点から角膜、涙液、眼表面疾患と視機能の関連を研究も行っています。 ともに頑張りましょう!

現在行っている研究の内容

角膜知覚神経と涙液分泌についての研究

角膜知覚神経がつかさどる様々な眼の症状について解明する。眼における神経因性疼痛についての研究を行う。

コンタクトレンズ装用が角膜に与える影響についての研究

コンタクトレンズ装用が角膜および眼表面に与える影響について、生物学的および光学的に検討を行う。またコンタクトレンズ装用による近視促進抑制効果について検討を行う。

眼感染症における重症化メカニズムの遺伝子解析

角膜および眼感染症において、原因微生物の遺伝子解析を行い、重症化メカニズムについて検討を行う。

涙液の成分およびマイボーム腺に関する研究

涙液の組成およびマイボーム腺に関する基礎および臨床研究。MGD(マイボーム腺機能不全:Meibomian Gland Dysfunction)に対する新たな治療についても研究を行う。

円錐角膜の新規治療に関する研究

円錐角膜に対する予防治療や、発症メカニズム、新たな視力矯正方法に関する研究を行う。

代表的な研究・論文実績