診療のご案内

診療方針

幅広い眼疾患に
丁寧に対応できる診療体制

当科の特徴の一つとして挙げられるのは、バランスよく幅広い疾患にしっかりと対応できることです。網膜手術や白内障に特化した病院もありますが、当科はすべての範囲を丁寧に対応する、という総合的な診療を目指しています。眼科は目だけを扱う診療科ですが、その小さな臓器を様々なスペシャリストが治療しています。角膜や網膜の病気、緑内障、加齢黄斑変性、あるいは小児眼科の領域まで、各分野の専門性を持ったスタッフをそろえ、どんな眼科疾患にも対応できる体制を整えているのが、当科の強みです。

患者さんの悩みを知る
臨床医だからこそできる研究を

医師として、目の前の患者さんを治療することが何よりも大切なことです。しかし、それに留まらず、新しい治療を開発するなど、研究に携わることも大きな使命だと言えます。常日頃から患者さんに接し、患者さんが困っていることを肌で感じている臨床医だからこそ、研究のための研究ではなく、臨床につながる研究に取り組んでほしいと思います。現在、当科では眼科健診を含めた一般集団データ研究から、基礎実験、再生医療など様々な研究を行っております。

スペシャリストであると同時に、
人間的総合力を持つ医師に

当科に入局する若い先生には、医療技術や知識だけでなく、患者さんやご家族への接し方なども含め「幅広い総合力を身に付けた医師」になってほしいと願っています。眼科は目に特化した特殊な科ですし、直接的に患者さんの生死に関わるわけではありません。それだけに、眼科への入局を決断するか否かの苦悩は、眼科医が必ず通る道だと言えるでしょう。ですが、目の見えない患者さんにどう寄り添うかなど、眼科の仕事は体験してみないと分からないことの多い、奥の深いものです。スペシャリストを目指したい先生には打ってつけの科ですので、ぜひ興味を持ってもらえればと思います。

診療実績

手術(診療実績)

手術名 白内障緑内障網膜剥離硝子体切除術斜視角膜移植その他
2021年 1,130 102 47 210 46 29 1,883
2020年 783 86 52 231 27 43 1,677
2019年1,61655834115334791
2018年1,34939713434038937
2017年1,029397237624441,000
2016年1,12147763242825878

当科では1日約120人、年間で約3万人の外来患者さんの診療を施行しております。

一般外来と疾患別に角膜、網膜、黄斑、涙道・眼瞼、ブドウ膜、緑内障専門外来があり、一般外来ではあらゆる眼疾患の診断・治療を行っています。より専門的な経過観察が必要な場合は専門外来にて診察を行います。

手術件数は年間約2,400件の手術を施行しており増加傾向です。白内障手術、緑内障手術、硝子体手術、眼瞼手術、涙道内視鏡手術を日帰り手術から入院手術、また大学病院という特性を活かして局所麻酔から必要に応じては全身麻酔に対応しております。

当院の特徴として年間約40件の角膜移植を行っています。角膜は層構造をしており、すべて層を移植する全層角膜移植術ならびに、角膜の表層のみを移植する層状角膜移植術や、内皮層のみを移植する角膜内皮移植術があり、患者さんの角膜の状態によって術式を考慮させていただき安全かつ安定した生着率を有しております。

生活習慣病である糖尿病の3大合併症の1つである糖尿病網膜症は、目の網膜にある血管は細いので障害を受けやすく血管がつまったり出血したりするようになります。さらに進行すると網膜剥離や緑内障といった病気を併発し失明に至ることもあります。入院手術が必要な方には糖尿病内科等での厳格な血糖コントロールが必要となります。密な連携を取り合い、視力および症状の早期回復を目的とし25G-27Gシステム硝子体手術を行い術後良好な手術成績を挙げております。

また網膜剥離等の緊急疾患に関しては網膜専門の医師が対応させていただき、可能な限り早期に緊急手術を施行できる体制を整えています。復位率も高く良好な手術成績を挙げております。